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コピー機の話題で目覚めたいなら。

知的好奇心や人間愛、そして高い倫理観といったものもある。 次に「業界・社内常識」について考えてみよう。
これは自分のビジネスや自分の会社の立場、業界の特色などを正確にかつ深く理解しているということで、ビジネスリーダーなら当然と言えば当然だ。 最近、「プロ」のサラリーマン・サラリーウーマンを目指せ、ということで、自分の業界や会社の知識よりも、普遍的な能力獲得が大事だという論調が目につくけれど、「業界・社内常識」抜きに、ビジネスリーダーとして結果を出していくことは、ありえない。
何か新しいことを成し遂げようとするとき、社内の誰と誰を巻き込めば、実際に物事が進むか。 地道なようだが、これがわかっていないと組織を動かせるはずがない。
また、自分の会社をより強くしていく上では、業界内の競合他社と比べて、何が優れていて何が劣っているのだろうか。 「人間力」とそれを身につける方法についてだけで、いずれ本を一冊書きたいと思うくらい、実に奥深い分野だが、ここでは、ビジネスリーダーにはいわゆる知識・勉強の部分だけでなく、ソフトな「人間力」という要素が不可欠であること、そして自分自身の「思い」がスタートポイントであることを述べるに留めておきたい。
「経営知識」は、学んだだけでは意味がないているのかを、きちんと意識していくことがイロハのイとなる。 われわれコンサルタントが新しいクライアントと仕事をするときも、まずはその会社、その業界の常識を理解した上で、第三者として新たな視点を提供することになる。
その業界と会社を知り尽くした経営者と対等に議論できるレベルまで「常識」を理解し、その上で、異見・異説をぶつけて「建設的なケンカ」ができること。 これが、コンサルティングプロジェクトの成功要件だ。
逆説的だが、業界と自社のことを知っている経営者ほど、われわれをうまく使えるということにもなる。 もちろん、ビジネスパーソンが入社してからずっと業界・社内常識の獲得だけに力を入れていればよいというわけではない。

これでは、その会社や業界でしか通用しない人間になってしまうし、会社を取り巻く環境が変わって、「従来からのやり方」をなぞるだけでは立ち行かない状況になったとき、まったく役に立たない人材になってしまう。 これ以外の三要件と組み合わせることで、初めて生きてくるのが、「業界・社内常識」だと考えておこう。
三番目がマーケティング、財務、人事あるいは戦略論といった「経営知識」。 ビジネススクールで科目として取り上げられ、そのそれぞれがアカデミックな一分野として認められているものだと考えておけば、間違いない。
過去、日本ではリーダーの「人間力」が、非常に重要視されてきた。 その身につけ方については、まだ多くが語られていないが、「リーダーの研究」、あるいは「リーダーシップ」といったタイトルの本は枚挙に暇がないし、その大部分は「人間力」について触れている。
また、「業界・社内常識」の重要性も、時に行き過ぎがあるにせよ、十分認められてき一方、「経営知識」、言い方を変えると、「経営学」の諸分野、というのは、長らく重視されてこなかった。 近年になって、欧米企業との競争を通じて、マネジメントの基礎は、体系的に学ぶことが可能だし、また必須でもあるという見方がようやく一般化されてきた。
たとえば、不動産売買の世界。 ちょっと前までは、土地は値上がりするもの、したがって資産としての価値が次第に上がっていくと信じられていた。
銀行も、それを前提に、直近の売買価格、すなわち時価を参考にして、ひどい場合には将来の値上がりも見込んでたのだ。 土地を担保として評価してきた。
ところが、今では収益還元法を使うのが当たり前になっている。 これは、土地や建物そのものの時価だけではなく、不動産が産む将来のキャッシュフローを推定し、一定の利子率でそれを割り戻して現在価値にしたものを、不動産価値評価の前提にするというものだ。

これは、米国流の会計を学んだ人にとっては、基本中の基本。 この手法でベースとなる価格をきちんと持っている相手と日本人とが、不動産売買の交渉をした場合、日本人がつい将来の値上がりを見込んだ高値で手を打つクセもあって、相手側の百戦百勝ということになりかねない。
これ以外にも、戦略、マーケティング、そしてM&Aといった分野で、彼我の経営知識格差を感じさせられる機会が増えたことから、日本のビジネスパーソンは最近になって「経営知識」習得に熱心に取り組み始めている。 ビジネス雑誌などでも、この分野の特集が随分多く見られるようになったし、書店に行けば、ものすごい数のテキストブックが並んでいる。
国内でもMBAコースを設ける大学院が増え、また、仕事を続けながらこういう勉強ができる、いわゆるアフタースクールも盛況だ。 これはこれで、大変結構なことだが、すでに述べたように、これをマニアのように突き詰める愚だけは避けねばならない。
きちんとした入門書を一通り読むなり、あるいはもつと深めたい人ならば、どこかに習いに行くのでもよい。 いずれにせよ、ある段階まで学んだら、実戦でその知識を使うことにシフトすることが必要だ。
そして、実戦でこの知識を使い、結果を出していくためには、この本の本題である「使う力」と組み合わせることが重要となる。 最後が、この経営知識を「使う力」だ。
ゴルフにたとえれば、初心者はまず基礎となるフオームやルールを知識として身につけることから始める。 ビジネスでこれに当たるのが経営知識だ。
しかしこれだけではゴルフはできない。 よいスコアを出すには、頭で思い描いたとおりのスウィングで球を打ったり、正しくコースマネジメントできる能力が必要となる。
これが「使う力」だ。 あるいは囲碁や将棋なら、ルールや定石、定跡が経営知識であり、実際の対戦の場で結果を出していく能力が「使う力」ということになる。

このように経営知識と使う力というのは、車の両輪のようなもので、どちらかだけではうまく前に進まない。 この「使う力」とは、どういう要素から成り立っているのか、そしてどうすれば身につけていけるのか、について述べていくことにしたい。
さて、ここにあげた四つの基本要件をすべて満たすことが、ビジネスリーダーとなる必須条件である。 だから将来ビジネスリーダーになることを目標とするなら、この四つのうち、どの部分が自分は弱いのかをよく見極め、そこを重点的に補強していくのがもっとも効率的だし、仕事の実力を伸ばす早道と言えるだろう。
ちなみに、多くの企業にはクセがあって、この四つのうちどの部分を高く評価するかは、企業ごとに異なっている。 ただし、そのクセが時代にマッチしなくなると一大事。
そのクセに合ったリーダーだけが養成されていると、企業全体が危機に瀕してしまう。 読者の皆さんには、是非自分の会社のクセにとらわれず、四つの基本要件すべてをバランスよく伸ばしていっていただきたい。
リーダーシップに分析力にロジカル・シンキングにコーチング…。 ビジネスパーソンが身につけなければいけないと言われることは数多くある。
では、何をどう学べば「使う力」になるのか、という視点から、それら知識やスキルを再編成してみよう。

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